日英関係 1930年代

廣田外交と英米中2

グルー駐日米大使が3月2日にハル国務長官に送った、クライブ駐日英大使との会談の報告は、次のようなものだった。 ロンドンからの指示によりクライブは前週に廣田外相を訪ね、英国は日中関係の発展を喜んで歓迎すると述べた。廣田はこの英国の確かな励まし...
日英関係 1930年代

廣田外交と英米中

廣田外相の国会での外交方針演説が英国でも注目されていたことは先に述べたが、その後、英米中これをどのように評価していったであろうか。 まず、廣田外相の指示を受け1935年1月30日、有吉特命全権公使が南京政府の汪兆銘行政院長と会談を行った。同...
日英関係 1930年代

廣田外相の外交方針演説、英国でも大きく報道

1934年は日英不可侵協定が提起され、英国産業協会の使節団が日本と満州を視察し、日英関係改善に期待が出てきた年となったが、翌1935年、その流れはどうなったであろうか。 英国側も日本の出方を窺っており、新聞なども日本外交や中国問題のことは常...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 50

第50回 ポートブレア編(29) 今回は羽金輝世治氏の遺書をご紹介したい。羽金氏は昭和二十一年八月十六日、シンガポール・チャンギーで刑死した。享年二十六歳。遺書をご覧いただけばわかるが、知性と教養を持った若者であった。 遺書御両親様へ 忙し...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 49

第49回 ポートブレア編(28) ポートブレアでの警察当局による現地住民虐待・殺害に関わったとして、羽金輝世治氏は絞首刑となった。羽金氏は海軍民政部嘱託で、アンダマン警察に勤務していた。2つの罪状で起訴され、第1の罪状で現地住民一人の殺害、...
国際ニュース

大西洋憲章と「プリンス・オブ・ウェールズ」

先日、英国と米国の首相会談がG7首脳会議に先立って行われ、そこで「新大西洋憲章」なるものが謳われた。近年出現してきている、国際社会の秩序を脅かす脅威に対して協力して対処しようという趣旨だが、もちろんこのモデルとなったのは1941年の「大西洋...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 48

第48回 ポートブレア編(27) 今回は、黒澤貞男氏の遺書をご紹介したい。黒澤氏は元農業、陸軍伍長であった。享年二十八歳。 遺言父上、母上宛二十八年の長い間色々お世話になり本当に有難う御座いました。御恩報じもせず先立つ罪何卒御赦し下さい。今...
国際ニュース

フランス、インド太平洋で日和見

以前、太平洋で日米豪仏が共同軍事訓練「ジャンヌ・ダルク21」を行ったことについて述べた。その中で、フランスはもともとヨーロッパの大陸国家で、自分の利益となれば中国にも武器を売るような国なので、あまり信頼し過ぎない方がよいと指摘しておいた。フ...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 47

第47回 ポートブレア編(26) ポートブレアでの現地労働者殺害の罪で裁かれ、橋本稔氏と黒澤貞男氏の二人は絞首刑となった。被害者とされる労働者はカーン・モハメド、サタル、サバ、アスラムの4名だが、アスラムの件に関しては橋本氏のみが罪を問われ...
日英関係 1930年代

飛行家センピル卿も満州訪問を計画

1934年9月、英国産業連盟使節団(FBI使節団)が日本と満州を訪問し、英産業界が日英関係改善と英国の満州国承認を後押ししたが、このような動きを見せたのはFBI使節団だけではなかった。親日家の飛行家と知られるセンピル卿もその一人である。セン...