「悪の論理」の現代史 『「悪の論理」の現代史』7 サイパンと「マハンの地政学」倉前がまだ元気な頃、倉前は毎年学生たちを連れてサイパンを訪れていた。その目的は、先の大戦の時に島に取り残されたご遺骨の収拾と御霊の慰霊であった。倉前はなぜサイパンにこれほど深い思い入れを持っていたのだろうか。サイ... 2019.04.21 「悪の論理」の現代史
「悪の論理」の現代史 『「悪の論理」の現代史』6 地政学の定義『悪の論理』の中で倉前は地政学の定義について、代表的な学者の言葉をいくつか紹介している。まずはそれらをご紹介したい。アメリカの海軍兵学校の教科書では、地政学は「政治の地理学に対する関係の科学」と定義されている。アメリカ海軍兵学校... 2019.04.15 「悪の論理」の現代史
「悪の論理」の現代史 『「悪の論理」の現代史』5 通商国家・日本前回、海洋型と大陸型の地政学の違いについて少し触れた。日本は海洋国家であるから海洋型の地政学を採用すべきであるところ、戦前の陸軍はドイツ式の大陸型地政学に傾倒し、それに引きずられるかたちで日本は大陸型の発想に染まっていき、破局... 2019.04.12 「悪の論理」の現代史
「悪の論理」の現代史 『「悪の論理」の現代史』4 海洋国家VS大陸国家「悪」とは「しぶとい」という意味で使われていると前回申し上げた。つまり、「悪の論理」とは、冷徹な国際競争の原理ということである。これは国際政治学の言葉を借りていえば、現実主義(リアリズム)ということになる。地政学はこの中... 2019.04.08 「悪の論理」の現代史
「悪の論理」の現代史 『「悪の論理」の現代史』3 醜のますらをになれこれまで述べてきたことを簡単に、倉前の言葉を借りていえば、世界を動かすものは常に悪党たちであり、悪人の論理、悪党の戦略哲学を知らずして、国際的な活動はできない。ということになる。この点が、現代の日本人には足りないと倉前は述... 2019.03.31 「悪の論理」の現代史
「悪の論理」の現代史 『「悪の論理」の現代史』2 地政学と日本人「二千億ドルのエージェント」の次の章の冒頭、つまり『悪の論理』の本編の冒頭で倉前は、地政学について次のように述べている。地政学とは地理政治学(英Geopolitics; 独Geopolitik)のことで、その他の科学と同じよう... 2019.03.27 「悪の論理」の現代史
「悪の論理」の現代史 『「悪の論理」の現代史』1 「二千億ドルのエージェント」とは『悪の論理』の冒頭には「二千億ドルのエージェント」というドキュメント・フィクションが収められている。これを読んで、その背景にある日本を揺るがした大事件がすぐに頭に浮かぶ若者は、もうほとんどいないのではないだろ... 2019.03.25 「悪の論理」の現代史
「悪の論理」の現代史 新連載『「悪の論理」の現代史』ー はじめに 昭和52年10月に倉前盛通が上梓した『悪の論理』は、地政学の入門書として多くの人に読まれてきた。しかし、40年以上も昔に書かれた本であるため、現代の若者がこれを読もうとしても知らないことが多く出てきて、取っつきにくいというようなこともあろう... 2019.03.25 「悪の論理」の現代史
倉前盛通文庫 艶の発想 『艶の発想:日本人の美学と精神構造』Amazon で発売中この度、『艶の発想』を復刊した。本書は昭和56年8月に講談社から出版されたが、長い間絶版となっていた。当時、評論家の竹村健一氏は次のような推薦のことばを本書に寄せてくださった。西欧社... 2019.03.17 倉前盛通文庫
倉前盛通について 三月十日と倉前盛通 昨日、三月十日は倉前の命日であった。倉前は平成三年三月十日、東京の自宅で亡くなった。この命日が来るたびに、この日付に多少因縁めいたものを感じてしまう。ご存知の通り、三月十日は、日露戦争における奉天会戦に勝利した戦勝を祝う陸軍記念日であった。... 2019.03.11 倉前盛通について