昭和52年10月に倉前盛通が上梓した『悪の論理』は、地政学の入門書として多くの人に読まれてきた。しかし、40年以上も昔に書かれた本であるため、現代の若者がこれを読もうとしても知らないことが多く出てきて、取っつきにくいというようなこともあろうかと思う。
これは倉前の望むことではない。倉前は若者たちに日本の未来を託し、『悪の論理』を書いたといっても過言ではなく、今も多くの若者にこれを読んで日本の舵取りを担ってほしいと、心より願っているに違いないのである。
したがって、『悪の論理』の解説が今こそ必要な時ではないかと思い、40年前から今日まで、世界はどう変わったかを少し詳しく振り返ってみよう思う。要するに、これは『悪の論理』を片手に、この40年間の世界史をみてみようという試みである。その中で、改めて、倉前が後世に伝えたかったことも見えてこようかと思う。
お付き合いいただければ幸いである。
倉前九平次
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