父と私 倉前盛通伝

生誕百年記念連載『父と私 倉前盛通伝』18

倉前麻須美 著  第18回 水餃子の思い出 あやめ池に戻ると、お腹の大きくなった母のお手伝いで駅近くの商店街まで買い物をすることが多くなりました。そんな中、出産間近になった母が入院する個人経営の産婦人科医院に、私達父子も泊まり込むことになり...
日本「匠」の伝統

没後三十年企画『日本「匠」の伝統』20

倉前盛通 著  第20回 匠の精神と深層心理 (最終回) 自動車生産高や工作機械の生産と輸出、これらもアメリカ、西ドイツ、フランスなどに比べて日本が圧倒的に多いのです。特にコンピューターで制御する工作機械は桁外れに日本が優秀であります。これ...
父と私 倉前盛通伝

生誕百年記念連載『父と私 倉前盛通伝』17

倉前麻須美 著  第17回 昨日の敵は 卵のお年玉に続いて、今度は私がびっくりすることがおきました。バトル相手のおばさんが私においでおいでをするのです。「怖いからいやだ」と拒否する私に「怖いことしないからこっちに来てちょうだい。お話があるの...
日本「匠」の伝統

没後三十年企画『日本「匠」の伝統』19

倉前盛通 著  第19回 稲作と畑作 何でも道として理想を高く持つ日本人の特性はどこからきたのでしょうか。これは稲作からきているのではないかと思われます。日本で稲を作るのには自発的意志を必要とするからです。 東南アジアのように年に三回も米が...
父と私 倉前盛通伝

生誕百年記念連載『父と私 倉前盛通伝』16

倉前麻須美 著  第16回 初めて見たお祖父さん 長い入院生活も少し飽きてきた頃、父母がお正月はお家で過ごそうねとお迎えに来てくれました。それがもうとても嬉しくて、相部屋のお姉さん達には勿論のこと、バトル相手のおばさんにもバイバイと手を振っ...
日本「匠」の伝統

没後三十年企画『日本「匠」の伝統』18

倉前盛通 著  第18回 「商は詐なり」は中国の発想 日本の商道に対して、中国には、商は詐なりといって、商いというのは人を騙して行うものだという発想がある言われます。ただ、中国人の商いというのは嘘ばかりというわけでもなく、信用が非常に重んじ...
父と私 倉前盛通伝

生誕百年記念連載『父と私 倉前盛通伝』15

倉前麻須美 著  第15回 恐怖の検査  入院から一週間ほど経って、病院生活にも慣れた頃、大好きな女医さんが「検査するから一緒に来てね」とお迎えに来てくれました。それまでにも、いろいろと簡単な検査は受けていましたが、この時の検査は今までのと...
日本「匠」の伝統

没後三十年企画『日本「匠」の伝統』17

倉前盛通 著  第17回 祭祀と鉢巻 御神輿を担ぐ時に、よく鉢巻をします。ねじり鉢巻をして向こう鉢巻にします。実は、鉢巻を前で結ぶのと後ろで結ぶのでは、意味合いが全く違ってくるのです。ねじり鉢巻で前で結んだり、横っちょで結んだりする時、その...
父と私 倉前盛通伝

生誕百年記念連載『父と私 倉前盛通伝』14

倉前麻須美 著  第14回 今度は私が入院 あやめ池の家で過ごした期間は、振り返ってみれば本当に短いものでした。一年いたかどうかといったところです。それでも、私にとって忘れらないことが起こりました。小学校の健康診断の結果に何か問題があり、私...
日本「匠」の伝統

没後三十年企画『日本「匠」の伝統』16

倉前盛通 著  第16回 日本人の道 日本人の特徴に、何でも「道」にするというのがあります。柔術が柔道に、剣術が剣道になりました。お花とか茶湯を華道、茶道と呼び、香りを扱う香道というのもあります。商いを商道といったりもしますし、農民道とか職...