英空母打撃群21がインド太平洋に派遣され、南シナ海を航行する予定になっているが、実は既に米海軍第7艦隊の空母打撃群が南シナ海に入り、演習を行っている。それも今年に入って1月と4月の二度である。それを行ったのがセオドア・ルーズべルト空母打撃群(TRCSG)だ。
その名の通り、米海軍のニミッツ級空母セオドア・ルーズベルト(USS Theodore Roosevelt)を中核とする空母打撃群である。同空母は最大級の空母として知られ、最強の攻撃力を持つとも言われる。それに乗る航空部隊は第11空母航空団(Carrier Air Wing 11)で、戦闘攻撃機FA-18Eを主力とする。
その他に、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦バンカー・ヒル(USS Bunker Hill)、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ラッセル(USS Russell)、同ジョン・フィン(USS John Finn)のイージス艦が、この空母打撃群には名を連ねる。まさに最強の布陣と言ってよいだろう。この空母打撃群が南シナ海で演習を行なったのだから、中国は心中穏やかではないだろう。
実は、米海軍第7艦隊は同規模のニミッツ空母打撃群を有し、この二つの空母打撃群は今年2月9日、南シナ海で合同演習を行なっているのである。米海軍を敵に回すとどうなるかを中国に見せつけたわけだ。
日本の海上自衛隊のイージス艦や潜水艦、哨戒機も米第7艦隊とは一体で動くので、米空母打撃群は打撃力だけでなく防御力も最高クラスになる。さらに、今度、英空母打撃群が南シナ海を航行する。世界の三大海軍国、米国、英国、日本を同時に敵に回して中国は一体何がしたいのか。地政学の基本テーゼに立ち返り、大人しく大陸に引っ込んだ方が身のためではないか。
ちなみに、セオドア・ルーズベルト空母打撃群は5月上旬、アラスカ近海で演習を行なっている。備えに抜かりはない。
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