先日ポーツマスを出港した英空母打撃群の近況をお伝えしたい。
6月2日の英海軍のリリースによると、空母打撃群はポルトガル沖でNATO(北大西洋条約機構)の11カ国が参加する軍事演習「ステッドファスト・ディフェンダー」に加わった。これにより、NATOとの連携を広くアピールしたわけだ。
その後、英空母打撃群に伊海軍のホライゾン級駆逐艦アンドレア・ドリアが加わった。これは地中海での護衛を担当するためで、数日間の合流だという。一時的にしろ、この伊駆逐艦が加わったことにより、空母打撃群は英国、米国、オランダ、イタリアという4国籍の打撃群となった。その狙いはやはり、幅広い協力関係を世界にアピールすることにある。
イタリアにしても、最新鋭の空母と戦闘機と行動をともにすることで得るものは大きい。考えてみれば、イタリアは半島国家ではあるが、歴とした地中海の民であった。古代ローマの繁栄は地中海なくしてあり得なかった。イタリア人の中に眠る古代ローマの記憶が目覚め始めれば、それはそれで面白かろう。一帯一路で中国に靡いたイタリアが今後どのような道を選択するか、見ものである。
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