これまで幾度か紹介してきた英空母クイーン・エリザベスとそれを中核とする英空母打撃群の続報をお伝えしたい。
6月22日の英海軍の発表によると、英空母打撃群が初めて実戦に参加したのだという。その相手は誰か。Daesh(ダエシュ)である。この呼び名はあまり知られていないかもしれないが、いわゆる「イスラム国」のことである。テロ組織を「国」と呼ぶのは相手の思う壺なので、敢えてDaeshと呼んでいるのであろう。この中東のテロ組織に対する掃討作戦に空母クイーン・エリザベスの搭載するF35Bステルス戦闘機が参加したのである。
今ではその存在も忘れられがちなダエシュだが、実はまだ存在しており、米軍の軍事作戦Operation Inherent Resolve(生来の決意作戦)と英軍の軍事作戦Operation Shader(シェイダー作戦)は続行中である。今回、空母打撃群の戦闘機がこの米英軍の作戦を支援したのだという。誰にも文句を言われずに実践に加われるのであるから、空母打撃群にしたら絶好の機会であったろう。
この英空母打撃群の初の実戦参加は歴史的なことである。英国のウォレス国防相は次のようにコメントした。
最新鋭のジェット戦闘機で海から作戦に参加する能力を得たことは、われわれの歴史で重要な瞬間です。われわれの同盟国を安心させるだけでなく、敵に英国の恐るべき空軍力を示すことができたのです。英空母打撃群は「世界の英国」を体現するもので、それが示す国際的な軍事力は、世界の安全を乱そうとするものを抑止することになるでしょう。
英国は着々と「世界の英国」への復帰の道を進んでいる。さて、日本はどうするのか。
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