インド太平洋へ派遣された英国空母打撃群21の陣容を眺めていて、イージス・システムを持った艦が4隻あることに気がついた。イージス・システムとは、ごく簡単にいえば、高性能レーダーとミサイル防空システムを合わせ持っているシステムのことで、イージス艦とはこれを持っている艦船を指す。
この空母打撃群のイージスの筆頭は、米海軍アーレイ・バーク級駆逐艦「ザ・サリバンズ」だろう。これは世界のイージス艦の中でも横綱級と言ってよいのではないだろうか。これが、この空母打撃群に加わっていることの意味は大きい。太平洋において米海軍第7艦隊と海上自衛隊はイージス・システムを共有しているようなので、この空母打撃群が太平洋に到着すれば、日米のイージス・システムと容易に連携することができるのではないか。
英海軍45型駆逐艦「ダイアモンド」「ディフェンダー」もイージス・システムを持つ艦船だが、分類上はミニ・イージスに分類されるようだ。イージス艦ほどではないとしても、英海軍が誇るミサイル駆逐艦2隻が空母打撃群に加わり目を光らせているのは、心強い限りだ。
また、オランダ海軍デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲート「エバーツェン」もフリゲート艦ながらイージス・システムを持つミニ・イージスだ。これも当然高い能力を有する。
このような空母打撃群が太平洋上に現れて、日米の太平洋の戦力と一つになったら、敵にどれほどのプレッシャーをかけられるか容易に想像できよう。しかし、海洋国家がここまで一致団結しなければならないほど、大陸の勢力が大きくなりすぎたということでもある。自由で開かれた通商の中に、安易に大陸独裁国家を入れてしまったのだから、これも当然の帰結である。悪貨は良貨を駆逐するのだから。
コメント