今月18日に行われたイランの大統領選挙で、ライシ師が当選した。ライシ師は、最高指導者ハメネイ師に近い強硬派と言われる。西側諸国が、イランの選挙プロセスや人権問題にいくら口を出したところで、このハメネイ–ライシの強硬路線は覆らない。
西側諸国はイランを核問題の交渉のテーブルに着かせ、核開発を放棄させたいだろうが、ライシ師は早速、イランの弾道ミサイル開発に交渉の余地はないと発言している。2015年オバマ政権下で実現した核合意はイランにとってあまりに都合が良いものであったため、トランプ政権でひっくり返された訳だが、その背後にイスラエルの存在があったことは周知の事実だ。
そのイスラエルで最近、政変が起きた。長年イスラエルを率い、強硬派としても知られるネタニヤフ首相が首相の座から追われたのだ。反ネタニヤフの野党が大連立を組んだのである。かといって、穏健派が権力の座に着いたわけではない。その座についたベネット新首相はネタニヤフ前首相よりも強硬派とされる。13日に就任したベネット首相は、16日に早速、ガザ空爆を行っている。
時を同じくして、中東の二大敵対国の指導者が強硬派になったことで、今後の成り行きに目が離せなくなった。先日、英空母打撃群がイスラエル空軍と合同訓練を行ったが、イスラエルの名前が目立たないようにされたのは、この情勢を考慮した結果ではなかろうか。
コメント