日米仏豪共同訓練「ジャンヌ・ダルク21」

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5月14日、日米仏豪の海軍による共同訓練「ジャンヌ・ダルク21」が始まった。これに先立って、陸上では陸上自衛隊、仏陸軍、米海兵隊による共同訓練も行われている。フランスがなぜ参加しているのか疑問に思われるかも知れないが、彼ら曰く、フランスは太平洋に領土を持つ、太平洋国家なのだそうだ。その太平洋でプレゼンスを高めておきたいというのがフランスの真の目的である。

海上の訓練に参加している艦船を見てみよう。米海軍からは、サンアントニオ級ドック型輸送揚陸艦ニューオリンズ、豪海軍からはアンザック級フリゲート艦パラマッタ、仏海軍からミストラル級強襲揚陸艦トネール、海上自衛隊からは「おおすみ」級輸送艦「おおすみ」が参加している。「おおすみ」は輸送艦と称しているが、実際には揚陸艦である。

こう見ると、この海上訓練は、日米仏の陸上訓練と呼応していることがわかる。つまり、離島奪還のための訓練なのである。フランスの参加はそこに意味がある。太平洋に島嶼領土を持つフランスには、このような訓練をする大義名分が立つというわけだ。ただ、実際の訓練の目的は、誰の目にも明らかなように、中国に対する牽制である。現在、太平洋で他所の島を狙っているのは中国くらいしかないのだから。

日米の味方になる国が増えることは歓迎すべきことではあるが、フランスに関しては、お客様程度で見ておいて方が良いのではないか。正直、元来ヨーロッパの大陸国家であるフランスが、日米豪ほどの危機感をこの遠く離れた太平洋で感じているとは思えない。サルコジ政権の時にはヨーロッパ随一の親中国政策を採用し、仏製兵器を中国に売ろうとして米国を怒らせたことすらある国だ。基本的には自分の利益しか考えていないと見ておいた方がよいだろう。今回は、日米英豪印の勝ち馬に乗るつまりなのではないか、そう考えるのはちょっと厳しすぎるだろうか。

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