秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 23

第23回 ポートブレア編(2) いい加減なポートブレア裁判の最初の犠牲者になったのは、金子稔海軍上等兵曹であった。。 起訴状は次の通りである。 「被告人は1945年2月またはその前後に戦争法規と慣習に違反し、ポートブレア住民のマクンディ氏に...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 22

第22回 ポートブレア編 (1) ポートブレアとは、インド洋に浮かぶアンダマン・ニコバル諸島最大の都市である。インドとビルマの間に位置する同諸島における、イギリス植民地時代からの行政の中心である。ちなみに、ポートブレアの名は、イギリス東イン...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 21

第21回 ペナン裁判 (十四) 佐伯一二憲兵曹長は宮城県出身であった。ペナン憲兵分隊での佐伯曹長の任期は短かったが、現地人の情報提供者を使っていたことが仇になったと思われる。日本軍の占領中は忠実に働いていた彼らも、日本の降伏後は日本人を糾弾...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 20

第20回 ペナン裁判 (十三) 横見忠夫曹長は広島県出身。享年二十八歳。横見曹長もまた他の同僚と同じく、容疑者取り調べ中の虐待を罪に問われた。しかし、同僚と同じく、横見曹長に関する検察証言にも確たる証拠となるものはなかった。例えば、クレメン...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 19

第19回 ペナン裁判 (十二) 今井今朝五郎憲兵曹長は群馬県の出身で、軍務に就く前は農業を営んでいた。享年三十歳。今井曹長がペナン憲兵隊で任務に就いていたのは、昭和十八年十月中旬からその年が暮れるまでであった。つまり、ペナンには一月半しかい...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 18

第18回 ペナン裁判 (十一) 清水定夫憲兵曹長は兵庫県出身。享年三十一歳。清水曹長は昭和十九年八月から降伏までの間、ペナン憲兵隊で任に就いていた。その主な任務は、刑務所に勾留中の容疑者を取調べることであった。その取調べの最中に容疑者を殴っ...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 17

第17回 ペナン裁判 (十) 村上誠毅准尉は山口県出身。享年三十二歳。村上准尉も他の英霊と同じく、たいへん優れた遺詠を残している。これらの遺詠が今も人の心を打つのは、散りゆく心に人の誠を見るからである。『世紀の遺書』に載せられている村上准尉...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 16

第16回 ペナン裁判 (九) 小川敬准尉は茨城県出身。享年三十三歳。小川准尉がペナン憲兵隊にいたのは昭和十七年四月から同年六月までの間だけで、その後はタイピン憲兵隊で任務に就いていた。このような短い期間しかペナンにいなかった小川准尉に対する...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 15

第15回 ペナン裁判 (八) 涌井三郎准尉は長野県出身。享年35歳。涌井准尉は昭和十九年二月から降伏までの間、ペナン憲兵隊に勤めていた。その任務は主に本部での事務処理であった。二、三度被疑者の取調べを行ったことはあったが、取り調べを受けた者...
秘録 BC級戦犯裁判

秘録 BC級戦犯裁判 14

第14回 ペナン裁判 (七) 三浦市蔵准尉は福島県出身、三十八歳で逝った。ペナン憲兵隊には昭和十八年一月から同年九月まで任務に就いていたが、彼の本来の職務は総務であり、取り調べには九月に関わったのみである。そのような三浦准尉にも検察の網はか...