「悪の論理」の現代史

「悪の論理」の現代史

『「悪の論理」の現代史』5

通商国家・日本 前回、海洋型と大陸型の地政学の違いについて少し触れた。日本は海洋国家であるから海洋型の地政学を採用すべきであるところ、戦前の陸軍はドイツ式の大陸型地政学に傾倒し、それに引きずられるかたちで日本は大陸型の発想に染まっていき、破...
「悪の論理」の現代史

『「悪の論理」の現代史』4

海洋国家VS大陸国家 「悪」とは「しぶとい」という意味で使われていると前回申し上げた。つまり、「悪の論理」とは、冷徹な国際競争の原理ということである。これは国際政治学の言葉を借りていえば、現実主義(リアリズム)ということになる。地政学はこの...
「悪の論理」の現代史

『「悪の論理」の現代史』3

醜のますらをになれ これまで述べてきたことを簡単に、倉前の言葉を借りていえば、 世界を動かすものは常に悪党たちであり、悪人の論理、悪党の戦略哲学を知らずして、国際的な活動はできない。 ということになる。この点が、現代の日本人には足りないと倉...
「悪の論理」の現代史

『「悪の論理」の現代史』2

地政学と日本人 「二千億ドルのエージェント」の次の章の冒頭、つまり『悪の論理』の本編の冒頭で倉前は、地政学について次のように述べている。 地政学とは地理政治学(英Geopolitics; 独Geopolitik)のことで、その他の科学と同じ...
「悪の論理」の現代史

『「悪の論理」の現代史』1

「二千億ドルのエージェント」とは 『悪の論理』の冒頭には「二千億ドルのエージェント」というドキュメント・フィクションが収められている。これを読んで、その背景にある日本を揺るがした大事件がすぐに頭に浮かぶ若者は、もうほとんどいないのではないだ...
「悪の論理」の現代史

新連載『「悪の論理」の現代史』ー はじめに

昭和52年10月に倉前盛通が上梓した『悪の論理』は、地政学の入門書として多くの人に読まれてきた。しかし、40年以上も昔に書かれた本であるため、現代の若者がこれを読もうとしても知らないことが多く出てきて、取っつきにくいというようなこともあろう...