大和は國のまほろば

川端康成碑 文明論
川端康成碑

このブログの最初の投稿は、やはり日本の文明の話から始めたい。

このページの写真は、日本文明濫觴の地、大和の国を見守る歌碑である。

 大和は國のまほろばたたなづく青かき山ごもれる大和し美し

日本最初の英雄、日本武尊の歌を記したこの歌碑は、近代日本最高の文人のお一人、川端康成先生の揮毫による。大和の山辺の道に萬葉歌碑を建てる計画の際、川端先生は萬葉歌ではなく敢えて古事記からこの歌をお選びになったという。

この歌碑は大人からすると少々読みにくいくらいに低く造られている。実はこれには川端先生のま心が込められていて、遠足にやってきた子供たちがこの碑の上に腰をかけ、おむすびでも食べながらこのまほろばの景色をゆっくり眺められるようにと、わざわざ御指図になったとか。

このエピソードから日本の文明の本質を感じとっていただけただろうか。日本の文人の心はかくも広く深く、そして優しい。大和の青い山々に抱かれてこの文明は育まれた。

大和しうるはし。

倉前九平次 記す 

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